ハス
 学名:Opsarichthys uncirostris uncirostris  コイ科
  福井県レベルで絶滅のおそれがある種(県域絶滅危惧T類)

 ハスはコイ科ハエジャコ亜科ハス属にぞくし、コイの仲間でオイカワ、カワムツという魚に近い種類の魚です。
 琵琶湖や淀川、三方五湖が原産ですが琵琶湖産アユの放流により日本各地に住んでいます。

■形態(かたち)
全長30p 体は細長く、左右から押しつぶしたように平たく、生きているハスは背が青みをおびていますが、体と腹が銀白色になっていて、最大の特徴は口がへの字のかたちになっています。
 産卵期のオスは淡い赤紫色のもよう(婚姻色)が現れ、頭、尻びれにつぶつぶ(追星)が見られます。

■生態(せいかつ)
 魚を食べる魚ですが、時として昆虫など食べ、体長7p以下の幼魚は動物プランクトンを主に食べています。
 産卵期は5月下旬〜8月中旬で湖岸または流入河川の砂と小石のまじった底に産卵します。
 成長は比較的速く、多くは3年で大人になり、オスがメスより大型になります。
 ハスの泳ぐ力と移動する速さは大きく、琵琶湖で標識放流したところ約一か月で湖の全部にちらばることからよく動き回る魚ということがわかっています。

■三方五湖のハスの貴重性(たいせつさ)
 三方五湖のハスは側線りん数が45〜54枚で琵琶湖の49〜60枚より少なく、また琵琶湖のものとは遺伝的に違うため、貴重種といえます。
 琵琶湖のものよりやや成長が悪いと言われていますが、昭和の始めまでは全長30pのものがいたことからそのころまでは食べ物の量が多かったと思われます。

■ハスがすむ川「ハス川」
 若狭町三方地区の真ん中を流れ、高瀬川と合流する西岸には有名な鳥浜貝塚があります。
 今から40年前より昔、夏のハス川には産卵のため大量のハスが遡上していたことからハス川と名付けられました。
 しかし今ではハスの姿が見られなくなったためハス川の風物詩はもう見られません。


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ハス
ハスのことが分かる
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 撮影:小堀徳広(wmv形式、393KB)
 (ロケ:琵琶湖博物館・撮影許可ゾーンにて)